とある夏の朝
今年の夏の話。
他の電車線からの振替輸送の影響でか、朝の通勤電車はいつもより混んでいた。
すぐ傍に立っている女性は、腕に引っかける形で傘を持っており、
自分の脚にその傘の先端が度々当たり、少しイライラしていた。
そんなこんなで電車に揺られていると、
背中側の傍の女性が顔色悪くゆらゆらしているのに気が付く。
そして、気が付いてからしばらく経たないうちに女性はうずくまってしまった。
勇敢な戦士
電車に乗り合わせた誰かが体調を崩した時、咄嗟に動ける人は少ないと思う。
その女性のことを気にはするけど、(自分も含めてだが)手を差し伸べる人が
なかなか出てこず、「そろそろ声をかけてみようか・・・」と思っていたところ、
少し離れた場所から勇敢な戦士が現れた。
30代ぐらいだろうか、私服の男性が、その女性のために席を譲ってくれないかと
席に座っている人に声をかけている。
その動きに連なるように、
女子高生は未開封のペットボトルの飲みものを差し出したり、
女子大生はハンカチや飴(熱中症予防用のような?)を差し出したりしている。
自分も、席が空いたのを確かめてから
その女性のカバンを持って席まで誘導させてもらいました。
人の命の前では、優しさはとても速く連鎖する。
その女性は、少し貧血気味だったのか、座ってしばらくしてから電車を自分で
降りれるまで回復した。
「できる」と「する」は違う
自分も、妻の妊娠や出産を経験し、
マタニティマークを始め、電車内で不自由そうにしている女性を気にできる
ようになったとは思う。
妊娠中は貧血も起こすこともあるし、「妊娠しているのかな・・・」と色々
を考えを巡らせている間に、戦士が動いてくれた。
優しさは行動からしか生まれない。
分かってはいるけど、改めて戦士からその大切さを教えてもらった。
ありがとう、戦士。
惚れてまうやろ
戦士が電車を降りる際に、自分を目が合ったのだが、
「ありがとうございます。助かりました。」と言わんばかりの会釈を
自分に向けてくれた。
なにこのイケメン。惚れてまうやろ。
そういう人に、私もなりたい。
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